ダニについてのミニ知識

アトピーや喘息などのアレルギーをお持ちの方にとって、ダニほど憎らしい存在は無いでしょう。また、最近では『殺人ダニ』と言われる「マダニ」も問題になってます。ダニは、未発見種も含めると数十万種もいると言われてます。ここでは、特に人体及びペットのダニに絞って、ダニの情報をお伝えします。

一概にダニといっても、その生態は多岐に渡ります。土の中、家の中、人の肌にもダニは生息しており、ゼロにすることは不可能です。アレルギーは、一定の発生数を超えると発作を起こしてしまうので、のダニの数を減らすことが重要です。また、ダニの駆除は、我々専門業者だけの施工で完結することはできません。重要なのは、我々とご家族及びご本人、ときにはお医者さんの3者が一丸になって取り組むことが必要です。

私も子供のころ、喘息に悩まされていた時期がありました。そういった意味では、同じような気持ちで協力できるかもしれません。


ダニの種類

外にいるダニ

【マダニ(吸血性)】
ダニの中でも大型のダニで、野生の鹿やペットに寄生します。草木の先端で動物が通るのを待ちぶせ、通過時に寄生します。 刺されると唾液から病原性リケッチアを体内に侵入させることがあります (重症熱性血小板減少症候群(SFTS)・日本紅斑熱リケッチア・ 最近増えているライム病リケッチア)。マダニは吸血時、頭部を皮膚に潜り込ませます。無理やり引き離すと頭部だけ皮膚内に残る(しかも生きてます)ので、発見したらお医者さんにとってもらいましょう。 
      
葉の先で待ち構えるマダニ     吸血後            このような草むらは要注意


【ツツガムシ(吸血性)(ケダニ類)】
河川近くで発生することが多く、刺されるとツツガムシ病リケッチアにより1週間ほどで発熱及び発疹ができます。マダニもそうですが、刺し傷がありますので、山や河川敷に入った後、気になる症状が出たら、皮膚科の先生に診てもらってください。

【タカラダニ】
梅雨の時期等に、コンクリブロックや壁に真っ赤で小さな生き物が這っていると、それはタカラダニです。人体に影響を与えないと言われ(いまだ生態は不明なところが多い)問題ないと思われますが、工場のラインに影響するときは薬剤処理を施します。


ペットや動物に寄生するダニ

【トリサシダニ・スズメサシダ(吸血性)】
鳥に寄生し、鳥の巣に多く居ます。依頼先に行って、調べてみると鳥の巣があり、この種が原因だったということがあります。薬剤施工と同時に巣の処理も必要になります。

【ワクモ(吸血性)】
やはりこちらも鳥に寄生します。ニワトリへの寄生も多いので、注意が必要です。

【ヒゼンダニ】
イヌヒゼンダニやネコヒゼンダニは、名前の通り犬やネコに寄生するヒゼンダニです。人にも一次感染をしますが、人から人へは移りません(体温が異なるので)。ただ、ペットから飼い主に一次感染することがありますから、ペットが異常な痒みを訴えたり、皮膚に異常がある時は、獣医さんに診察してもらってください。 

家の中及び人体に寄生するダニ

【イエダニ(吸血性)】
イエダニは主にネズミから発生します。つまり、ネズミが発生する家はこのダニが発生する確率が高く、ネズミの駆除が必要になります。ちなみにイエダニの「イエ」はイエネズミ(ドブ・クマ・ハツカネズミ)の事。

【ツメダニ】
人を刺し、他のダニも捕食する凶暴なダニです。他のダニを捕食するので良いダニに聞こえるのですが、裏を返せば他のダニが大発生しているので増えるともいえます。刺されると痒みを伴います。


【チリダニ(ヤケヒョウヒダニ・コナヒョウヒダニ)】室内に発生するダニで一番数が多いと言われ(約8割)、本体・糞・死骸が体内に侵入することでアレルギーを引き起こします。誇りの中や湿気が多く暗い場所を好み、畳・カーペット・布団などあらゆる所で生息します。
          
【ニクダニ】
やはり室内で生息するダニで、チリダニに似てますが、穀物や革製品にも発生しやすい種です。

【ヒトヒゼンダニ】

最近、老人ホーム等で大発生することがあるダニで、人の体内に寄生します。人の体表の角質層の下に(疥癬を起こす)トンネルを掘って生活し、1日に2、3個の卵を産みます。寄生主は激しい痒みを感じます。感染性があるので、家族の方に伝播する可能性は大です。外用のステロイド剤等はまず効き目が無く、悪化させることが多々あります。まず一般の方で直すことができないので、激しい痒み(世界一痒いと言われている)を伴う時は、お医者さんに相談してください。 

☆ノルウェー疥癬についてノルウェー疥癬は、特に老人ホームに発生することがあり、体内に数百万のヒゼンダニが寄生するので一度発生すると大掛かりな処理が必要です。発生が疑われるときは、至急お医者さんに相談することをお薦めします。



施工方法
@化学的防除・・・薬剤による、ダニの除去

A環境的防除・・・布団乾燥・清掃

B医学的防除・・・お医者さんによる治療、時には精神的ストレスの排除
(Bは弊社の施工ではありません)

ダニ対策というのは、非常にデリケートで、難しい施工です。間違えなく言えるのは、我々専門業者だけではなく、ご家族の方や時にはお医者さんも重要な役割を担います。

我々ができることは
@の化学的防除及びAの布団乾燥によるダニの死滅、また、清掃に関する専門的なアドバイスです。我々は薬剤及び布団乾燥によって数を減らすことはできますが、減った数を継続的に維持するのは日々の清掃であり、どのように清掃すれば維持できるかのアドバイスはできる限り致します。Bに関しては医師免許が無いので当然できません。ただ、上記の通り、包括的な指針・アドバイスに関しては、知識の提供はできますのでお困りの方はぜひご相談下さい。


施工価格
ダニの調査は、他のネズミやシロアリ、ゴキブリ等の施工と異なり有料となります。これは、調査によるダニの発生数・種を日数をかけて調べ、適切な施工をする為です、ご理解下さい。

最後に
・・・ダニの施工は薬剤の選定・施工方法
(例えば、弊社では畳の裏と表で使用薬剤は異なります)が重要であり、安易な施工はお金のムダになる場合があります。したがって、しっかりとした施工をする業者、少なくともダニの知識がある業者を選定することをお薦めします。