【シロアリ情報目次】

シロアリの被害と生態について
シロアリの種類について
シロアリ施工までの流れと施工方法・薬剤について


シロアリの種類について



シロアリは、「女王」と「王」を中心として、食害を及ぼす「職蟻(しょくぎ)」・外敵からコロニーを守る「兵蟻(へいぎ)」から成ります。シロアリの発生を確認する機会は、実際に加害が確認された場合と、群飛と呼ばれる羽蟻の飛び立つ時ぐらいとも言えます。以下にシロアリの種類と特長を説明します。


【日本に生息する主なシロアリの種類】

@ヤマトシロアリ
北海道北部を除く、日本全国に生息するシロアリ。関東地方では、9割以上が「ヤマトシロアリ」と言えます。約1万〜3万匹程度のコロニー(巣)を形成しますが、加工した巣は作らず、被害箇所が巣を兼ねてます。真夏と真冬は動きが鈍りますが、冬眠はしません。4月中旬から6月にかけて、コロニーの一部(2千〜3千匹程度)が黒く変異し、また、翅をつけて飛び立ちます(群飛)。ヤマトシロアリの群飛の時間は温暖多湿の(例えば、雨が降ったあとのパッと晴れた時など)昼間に飛び立ちます。数千匹が一気に飛び立つので、ビックリされる方が多いです。基本的に水を運ぶ能力が低いので、被害は2階の床面ぐらいまでと言えます(雨漏り等の時は、さらに上まで加害しますが)。

ヤマトシロアリの
職蟻・兵蟻

ヤマトシロアリの羽蟻
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Aイエシロアリ
千葉以西の温暖な地域で生息する、最も加害の激しいシロアリ。関東地方でも、海岸線を中心に増加傾向がある。100万匹以上の巣を形成することもあり、水を運ぶ能力もあるので、ヤマトシロアリに比べて被害が甚大になる。塊状の巣を形成して、巣から蟻道を伸ばして加害をする(その長さは100m以上になることも)。群飛は6月〜7月の夕方から夜間にかけて飛び立つ。光行性があるので、街灯や家の蛍光灯に大量に舞う。

イエシロアリの職蟻
イエシロアリの羽蟻
6,7月の夜に群飛

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Bアメリカカンザイシロアリ
元々は外来種。輸入家具や輸入木材・荷造材から侵入したものと考えられている。最大の特徴は、乾いた木材で生息できる点で、持ち込まれた箇所で増殖してしまう。軍団で行動するというよりも、小規模でゲリラ的に活動し、群飛も小規模及び不定期なので、駆除は困難を極める。生息範囲は最初に侵入した家屋等の付近で、地面からの侵入ではなく、羽蟻が飛びついた木材に直接侵入することが多い。したがって、予防処理を行うことは不可能に近い。生息している箇所もわかりにくい上に、たとえ完全駆除に成功したとしても、隣の発生家屋から再度侵入してしまうと、再び加害を始めてしまう。したがって、他のシロアリのような施工保証をつけることができない


主なシロアリの特徴比較


 ヤマトシロアリ  イエシロアリ  アメリカカンザイシロアリ
分布 日本全国
(北海道北部除く)
千葉以西の
温暖な地域
 
侵入家屋及び
その周辺エリア
 群飛時期  4月〜6月に昼  6月〜7月の夕方〜夜  7月〜9月の昼
 羽蟻体長  4.5〜7.5mm  7.5〜9.5mm  6〜8mm
 羽蟻体色  淡黒褐色  黄褐色  褐色
 加害特性 腐朽木材を好み、束・土台・大引等を加害。雨漏り等があれば、2階まで加害する場合も有り。 水を運ぶ能力に優れ、コロニーの生息数が大きいので、2階の天井裏まで加害する場合も有り。被害は甚大になる場合も多い。  乾いた木材を加害する為、輸入家具等に付いて侵入。一度侵入すると、発見が難しい。砂粒状の糞をするので、生息箇所の発見の手掛かりになる。